リレーエッセイ 第5回 種村 均さん(昭和46卒)

1971年卒の種村均です。食器メーカー、ノリタケに入社し社長、会長を経て今年6月総会で相談役に退きました。入社直後にドルショック、中堅時代にバブル崩壊、社長就任直後にはリーマンショックと幾つもの大きな出来事に遭遇しました。こうした環境変化にどう対応するかが経営の真価を問われるところです。私が社長時代に下した決断が果たして妥当であったかを今い直しているところです。
ノリタケの歴史が明治9年(1876年)輸出結社森村組の創立に始まることや、祖業が対米輸出であったことから、明治以降の日本の在り方に強い関心を持ってきました。今年は明治維新から150年、太平洋戦争は丁度その中間に当たります。維新後の日本は欧米列強の植民地支配から免れることを第一義として殖産興業、軍国主義の道を突き進み、その行き着く先が太平洋戦争であったように思います。戦後は、米国の占領政策の下、戦争忌避、経済優先主義の道を邁進しました。戦後復興と高度成長によって世界第2位の経済大国へと昇り詰めた日本ですが、バブル経済崩壊を機に長期経済低迷に陥り、少子化、地方過疎化、財政悪化、格差拡大、過労死、経営不祥事など、様々な深刻な問題に直面しています。
維新後の軍事一辺倒が太平洋戦争に帰着したのではないか、戦後の経済一辺倒が今日の困難を招いたのではないか、戦後70余年を経た今、日本の進む道を考え直すべき時期にあるように思われてなりません。私のような団塊の世代は、生まれながらにして激しい生存競争を余儀なくされ、戦後の経済一辺倒を加速する役割を果たしのではないかとの自責の念を抱きつつ、日本の明日を心配する毎日です。(末松ゼミ)