シリーズ【名大新潮流】Vol.3 飛躍に向け立ち上がる名大ベンチャーを応援しよう!

飛躍に向け立ち上がる

名大発ベンチャーを応援しよう!

 

世界を代表するモノづくりの集積地にある名古屋大学では、研究成果を社会で活用するための産学連携が積極的に進められています。昨今では青色発光ダイオードなど新しい社会的価値をもたらす製品・サービスも多数存在しています。また、若手研究者や学生が自らの研究成果やアイデアを実用化するため、大学ベンチャー企業を立ち上げるケースも活発になっています。

名古屋大学の学生、大学院生、卒業生に対して、積極的に新しい事業にチャレンジする人材を輩出するために、アントレプレナーシップ教育をはじめ、大学発ベンチャーを起こしやすい環境をさらに整え、支援していくことを目的に設立された「Tongali(トンガリ)プロジェクト」を中心に、大学発ベンチャー推進の背景や狙いなどについて、名古屋大学学術研究・産学官連携本部の鬼頭雅弘先生、河野廉先生に伺いました。

 

大学発ベンチャーの教育、育成、支援プログラム

それが「Tongali(トンガリ)プロジェクト」

 

「Tongali」は「Tokai Network for Global Leading Innovators」の頭文字をとったもので、2016年に名古屋大学はじめ岐阜大、三重大、名工大、豊橋技術科学大の5大学を対象としたファンドの設立を契機にスタートし、2017年度には文部科学省の「次世代アントレプレナー育成支援事業(EDGE-NEXT)」の採択を受け、東海地区の産業活性化などに貢献するとともに、グローバルなイノベーションエコシステムの構築に取り組んでいます。

この「Tongaliプロジェクト」は、アイデアや技術シーズを基に起業、社会実装するまでをシームレスに進められるプログラムで、学生・若手研究者が、自分自身のアイデアを具現化していくためのスキルやノウハウを身に付け、実際にそのアイデアを事業化する環境そのものです。

具体的には、アントレプレナーシップ教育として「Tongali スクール」や「アイデアピッチコンテスト」などを実施し、大学発ベンチャー支援として「インキュベーション施設」の提供、「名古屋大学・東海地区大学広域ベンチャーファンド」、「スタートアップ準備資金」による資金援助、外部有識者(アクセラレーター等)によるメンタリングなどを充実させています。

 

着実に増加する名大発ベンチャー

 

「Tongali(トンガリ)プロジェクト」がスタートして4年目に入りますが、起業のための心構えなどを学ぶ「Tongali スクール」を受講する学生数も、この3年間で3倍近くになったほか、アントレプレナー育成プログラムの「アイデアピッチコンテスト」や「ビジネスプランコンテスト」への参加チームも着実に増加しています。

ベンチャー設立数もこの5年間で1.5倍に増加し、累計で66社に及びます。他大学との比較においても、12位から7位に躍進。創出増は東大、京大についで3位と大きく飛躍しています。特に学生やポスドクが主に関与するベンチャー設立が急増し、スタートアップ成長のための教育・育成・支援プログラムの提供が、こうした成果に結びついていると思います。

 

「Tongali(トンガリ)プロジェクト」へ

より多くの学生・卒業生の参加に期待したい

 

名大に入って、ベンチャー⁉。ある種の抵抗感があるのは確かですが、「Tongali(トンガリ)プロジェクト」は、起業だけが目的ではなく、イノベーションを体感してもらうのも大きな目的です。社会に出た後、企業内起業を担うこともあるでしょうし、様々な課題に直面し解決を迫られることもあろうかと思います。そんな場面で「Tongali スクール」などで学んだことが役に立つと確信しています。

また、卒業生の皆さんの参加にも期待しています。学生だけでなく、若手研究者は社会経験が少ないこともあって、優れたリソースを活かしきれない面が多々あります。そんな時、企業マネージメントやマーケティング、経理、法務、営業といった分野で活躍する卒業生の参画に期待しています。イノベーティブにベテランの知見がプラスされれば、「Tongali(トンガリ)プロジェクト」は、より良い方向に回り始め、名大発ベンチャーの一層の発展・飛躍につながるものと信じています。

 

取材を終えて

大学発ベンチャーと一般企業、学生、教職員などが交流・相互理解を深める「ベンチャーズトーク」など、新しい技術や考え方が新たな価値を生み出し、社会に貢献する「イノベーション」に触れる機会がもっと増えることを期待します。自分が持つスキルをベンチャーの成長に活かせたら、と思うのは私だけではないはず。

 

鬼頭 雅弘 Masahiro Kito、

学術研究・産学官連携推進本部 知財・技術移転グループ

教授  博士(工学) 弁理士

 

河野 廉  Yasushi Kawano

学術研究・産学官連携推進本部 人材育成・情報発信グループ

教授 博士(医学)