名古屋大学経済学研究科長ご挨拶

名古屋大学経済学部・経済学研究科は、その前身である名古屋高等商業学校が大正9(1920)年 に設置されてから、間もなく100年を迎えることになります。その間、昭和23(1948)年に、名古屋大学法経学部が設置され、1950年には、経済学及び経営学の各分野にわたり、深く、かつ総合的に研究するとともに、世界の平和と人類の福祉に寄与することを目的として、法経学部が改組されて経済学部が設置されました。さらに、昭和28(1953)年には、経済学及び経営学における学術の理論及び応用を教授研究し、経済学及び経営学における学術の研究者、高度の専門技術者及び教授者を養成することを目的として、大学院経済学研究科が設置されました。経済学部・経済学研究科では、真理の探究を図るとともに、我が国産業の集積地である東海地域における中核大学として経済学分野の先導的役割を果たすべく、教育研究を担ってまいりました。次の100年間のさらなる発展のため、名古屋大学が掲げる「勇気ある知識人」の育成という目標の一翼を担うべく、経済分野において勇気ある知識人の育成に取り組んでおります。

この100年間で日本の経済を取り巻く環境は大きく変化しました。100年前の日本の姿を思い浮かべていただくとおわかりになりますように、当時のわが国は、輸出では綿織物や生糸などの紡織品に大きく依存しており、就業者の過半数が第一次産業に従事していた時代でした。それと現代を比較すれば、その間にどれほど大きな変化が生じたか容易に理解できます。これからの100年間はさらに世の中が大きく変化してゆくと考えられます。それに対応できる知恵を身につけ、さらに叡智へと発展させることが求められています。

100周年記念事業におけるアカデミックな側面として、以下の三つのことに経済学部・経済学研究科として取り組む計画です。

① 情報化・国際化という教育環境の変化に対応し、講義室等の施設の大規模なアップデートを行います。

② 学部・研究科の100年間にわたる歴史を整理し、これからの100年のために残すべき100年史の編纂を行います。

③ これまでの100年の研究を基礎としながらも、これからの100年に向けた国際シンポジウムなどを開催し、研究成果の社会への還元に務めます。

そのために名古屋大学基金の中に、特定基金として「名高商・名大経済学部・経済学研究科100周年記念支援事業」も立ち上げました。これは名古屋大学基金の中で、支援目的を特定してご寄附いただける事業の一つとして位置づけられていることを意味しています。 特定基金であるため、上記三つの活動に使途が限定されますが、ご支援のほど、宜しくお願い申し上げます。

名古屋大学大学院経済学研究科長

経済学部長 野口晃弘